海で生きる生物を飼育するとき、先ず無くてはならないものは海水です。この飼育海水には大きく分けて「天然海水」と「人工海水」の2 種類が使われています。
「天然海水」とは自然の海水のことで、汲み上げる場所や汲み上げた後の殺菌処理の違いなどで内容が異なります。
最近では栄養塩やミネラル(マグネシウム・カルシウム等) が多く、年間を通して成分が安定していて、雑菌が少ないということで海洋深層水なども販売されています。(本来海洋深層水には栄養塩が表層海水よりも多く含まれています。栄養塩とは硝酸塩・リン酸塩・ケイ酸塩等のことですが市販の海洋深層水は処理をしているので含まれていないそうです・・・。)
それに対して「人工海水」とは人工的に作る海水のことで、真水に規定量を溶かすことで海水が作れる。言わば、海水の素となる塩を主成分とする白い粉のことを言います。この白い粉はよく「塩」と呼でいますが、一般的に言われている食卓塩とは違いますのでご注意ください。
人工海水の最大の特長は簡単に一定の無菌海水が作れることです。天然海水の成分組成は海域や水深などによって違いますが、人工海水の各種塩類の組成の基準は海洋学上の標準値を参考にしてケミカル品である塩化ナトリウムや塩化マグネシウムといった数種類の材料を混合して調整しています。
この調整方法の違いから人工海水は各製造メーカーごとに異なり、決して同じものはありません。
どれも同じように思われがちですが、このケミカル品の種類、品質、配合量、配合方法などにノウハウであり、その違いによって内容は大きく異なります。(ただし、規格にある標準海水は除く)たとえば、溶解量に対する比重、溶解速度、pH 値、アルカリ度、各成分濃度、微量元素配合方法、重金属含有量等で、コスト面、品質面、飼育する生体環境面から何を優先するかによっていろんな人工海水が作られています。