海水について

海水の濃度

海水の濃度 海水の塩分濃度は一般的に35‰(パーミル)といわれています。 海水にはいろいろな物質が溶け込んでいて、その物質の濃度の総和を「塩分濃度」(salinity)と言っています。 塩分と書いてあるので、一般の「食用の塩(しお)」のように思われがちですが、意味するものは違うのでご注意ください。

  ここでいう「塩」とは「海水中に溶解していて、陽イオンと陰イオンが電荷で中和する形で生じている化合物」のことを表しています。 そして、これらの化合物の総量が海水の量に対してどの位溶け込んでいるのかを濃度として表しています。 海水の塩分濃度は一般的に質量濃度で表し、海水1kgあたり何グラムの塩分が溶け込んでいるかを表しています。 このkgをgに変えれば、海水1000gあたり何gの塩分が溶け込んでいるかということになり、千分率濃度として単位は‰(パーミル)になっています。 ちなみに、35‰を百分率濃度で表すと3.5%(パーセント)です。

また、海水の濃度を表す別の方法として「比重」があります。 比重のことをお話する前に、「密度」のことを少しお話しておきます。 ここでお話する密度は「質量密度」と呼ばれているもので、「単位体積あたりの質量」を表します。 国際単位(SI)ではkg/m3(キログラム パー 立方メートル)ですが、ここでは解りやすくするためにkg/L(キログラム パー リットル)の単位を使います。 質量密度とは解りやすく言うと、「体積1リットルで何kg?」と聞いているのと同じです。 ところが、ここで注意してください。液体の体積は気圧や温度によって変わります。 たとえば、水は水温3.98℃の時、体積が一番小さくなります。そしてこの時、水は最大密度となります。 また、1リットルとは「1気圧のもとで最大密度(水温3.98℃の時)になる水の体積」となっています。(厳密には?だそうです・・・) ですから、海水の密度は一般的には1気圧で水温4℃の時、海水1リットルあたりの質量」として最大密度で表しています。 解りやすく言うと海水の密度は「1気圧で、水温4℃の海水1リットルは何kg?」と聞いているのと同じです。 さて、ここから本題の「比重」のお話をします。
比重は書いて字のごとく重さを比べています。 詳しく言うと、「ある物質の密度」と基準となる「標準物質の密度」との比で表し、単位はありません。 これを海水の比重でいうと、「海水の密度」と基準となる「水の密度」との比です。 すなわち、1気圧で、水温4℃のときの「海水1リットルの重さ」と「水1リットルの重さ」を割ったものが海水の比重になります。 ところが、ここからが比重の数値が一定ではなく、あいまいになってしまう理由になるのですが、基準となる水の水温が必ずしも4℃とは限らないことです。 もちろん海水側の温度も指定温度が異なれば、比重は変わります。 たとえば、塩分濃度を測る屈折計では「d20/20」のように記されています。 これは下の20が基準となる水の温度で「20℃の時の水の密度」、上の20が海水の温度で「20℃の時の海水の密度」を表し、その条件下での比重として 目盛りを打っています。 これ以外にも比重計・ボーメ計などが一般的な測定器として使われていますが、本来はそれそれに必ず水温の設定値があります。 測る海水温度の指定値と基準となる水の水温の規定値がどの測定器も同じと言うわけではありません。単に比重と言っても製品によって数値が変わるので注意が必要です。 例え比重換算表があっても条件が異なれば違う数値を示すことになります。

最後に海水の濃度を表す方法として「導電率」があります。 電極の付いた測定器で海水の電気の流れやすさを測り、塩分濃度の指標としています。 海水は、溶け込んでいる塩が塩化ナトリウムなどの電解質なので、電気を流せる性質を持った水溶液(電解質溶液)です。 そして電解質溶液中で電線の中の金属の自由電子のように電気を運んでいるものが元素記号に+や-で表される「イオン」と呼ばれるものです。 このイオンの量によって導電率は変わり、イオン量が多いほど電気は多く運ばれるので、伝導率は大きくなります。 このことから導電率で海水の濃度を表すことができます。 単位は非常になじみがないものですが、
S/cm(ジーメンス パー センチメートル)や、
その1/1000のmS/cm(ミリジーメンス パー センチメートル)、
そのまたさらに1/1000のμS/cm(マイクロジーメンス パー センチメートル)
で表します。
ちなみに一般的に海水の導電率は塩分濃度が35‰、水温25℃で53mS/cmです。ちなみに水温20℃で48mS/cmです。 ここでも解るようにイオンは水温が高くなれば電気を運ぶ働きが活発になり、低くなれば減衰するので導電率の数値が変化します。 そのため、導電率は一般的に水温25℃での導電率値として換算して示しています。 その換算は簡易的に1℃あたり2%の変化として換算しています。
以上、海水の濃度に関して、お質問の多かった測定方法について3つの方法をまとめてみました。

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